人に二胡を教えるようになったきっかけは、私の先生が、「教えなさい。その方が勉強になるから」と仰ったから。「教えるようになると自分のレッスンの受け方も変わります」とも言われました。
その当時の私は、自分は人に教えるものなんて何も持ってないと思っていて、そんな私が教えても良いのだろうかと迷っていました。
そんな私の元にも、学びたい気持ちを持った生徒さんは来てくださいます。
その生徒さんたちの望みを叶えてあげたいと、自分がそれを引き受けてあげなくては!と頑張ってしまっていた時期もありました。
アレクサンダー・テクニークを学ぶようになってからは、そこに少しずつ余地が生まれるようになりました。
生徒さんの動きを注意深く観察出来るようになって来たら、何を言ってあげるべきかが自然に分かるようになって来ました。
アレクサンダー・テクニーク教師であるキャシー・マデン先生が、先日、教師の役割について、ご自身の「教える」という事に対する姿勢について教えてくださいました。
それを聞いていて、「ああ、私はこんな風に教えたかったんだ!」と思いました。
・「こうしたい」という望みは、生徒さんの方から始まる。だから教師の役割は、生徒さんが学びたいものを学べるような状況を整えてあげることである。
・生徒さんにはいつも「選択の自由」があり、学ぶという事に関しては教師ではなく、生徒さん自身に責任があるという事を、生徒さんがいつも気付いていられるように尊重し続ける。その方がたくさん学べるから。
・教師に出来るのは、提案やアイディアを提供する事。やってみるかを決めるのは生徒さん自身。
・教師は個々の生徒さんのそのユニークな変化の道筋に付き合う(follow)。
・もし生徒さんが変化が必要だと思えば、必ず生徒さん自身が必要なものを選び取って行く。
・教師は生徒さんをご招待(invite)する事は出来るが、生徒さんが学ぶための責任は生徒さんにあるので(←望みは生徒さんから始まっているので)、教師はすべての責任を引き受ける必要はないということをわかっておくこと。
教えることは学ぶこと…本当にその通りだと思います。教えるという事で学ばせていただいている事がたくさんあります。キャシーのように、人を尊重し続けられる教師になりたいと心から思います。