「やろう」とする意欲が強いと、それは刺激になります。刺激が強いということは、これまでやって来たパターンを繰り返してしまいやすいということにも繋がります。
すると、変化を望めば望むほどゴールから遠ざかってしまうような感覚を持つことがあります。
それでは変化のために「意欲」はむしろない方が良いんじゃないかという気がして来ます。
そんな悩みの中にいた時に、アレクサンダー・テクニークの先生であるキャシー・マデン先生にその事を質問しました。
Q.やろうとする意欲が強すぎてうまく行かなくて困っています。できない所を力技でねじ伏せようとしてしまっている傾向があるような気がするのですが…。
A.意欲は必要です。
馬にいかに上手く乗れたとしても、乗馬したいという意欲がなければ、やっている事に意味はないのです。
"Kindru" so that my head can move and my whole self follows…
訳:カインドルーして、それによって私の頭が動けて私の全体がそれについて行って…
change(変化)がなぜ起こるか…why(なぜ)については知る必要はないのです。
(Kindru→カインドルーというのはキャシーの造語で、これは不定期に別の言い方に変わることもあります。特定の意味を持つ言葉を使ってしまうと、人は様々な解釈で捉えてしまうので、敢えて意味を持たない言葉を彼女は作っているのです。何を指しているかというと、「頭が脊椎と頭蓋骨の関節のところにふんわりと乗っかった状態でいられるようお願いしている」という意味を含みます。
これはアレクサンダー・テクニークの基本的な考え方の中にあるもので、頭が自由に動ける状態が、身体や心のその他の部分に本来の動きやすさをもたらすという原理から来ています。)
カインドルーしてから出来ることは、一つ一つどうするかを見ていくこと。明確さを持って。
それによって練習の仕方が変わります。
「意欲」を変化するためのパワーに変換出来るようになって行きます。