ニコ二胡アレクサンダー

中国民族楽器の二胡にハマって学びを深めるうちに知った、アレクサンダー・テクニークについての探求の日々

頭はどこから?

「頭」と言った時に、それはどこの事を指すと思っていますか?…と聞いたら、顔全体やアゴの辺りを指す人、首の後ろあたりを指す人、おデコの辺りを指す人、と人によって様々だと思います。

アレクサンダー・テクニークで「頭」と言う時には、頭蓋骨とその中にある組織や頭蓋骨の周りの筋肉群の事を含めて頭と言っています。

それでは「首」はどこからが首でしょうか?
人の顔を正面から見ると、首は少ししか見えませんが、果たして見えているだけの長さしかないのでしょうか?
首の長さが実際にはどのくらいあるかなんて、普段の生活の中では考える事もないかも知れませんね。

さてこの図を見てみましょう↓
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首には7つもの骨があります。
C7と書いてある骨から、上に向かって7つが首の骨です。

環椎と呼ばれるC1の骨の上に、頭蓋骨が乗っています。左右の耳の穴から少し下の所をずっと繋いだ真ん中あたり、前からだと鼻の穴の奥の方に、頭と首の境目があります。

図で見ていただくとわかるように、後ろでもなければ、前でもなく、真ん中あたりになります。
感じる事も触れる事も出来ない場所ですが、この位置関係が非常に重要なのです。

ここが、脊椎(いわゆる背骨と呼ばれることもある、胴体の中心を貫いている骨で、首の頚椎から尾骨までの骨を指します)と頭が接している位置なのです。

頭を胴体の方へ押し付けられると、胴体だけでなく、そこから繋がっている、手足の動きまで悪くなってしまいます。
逆に、頭が胴体から離れる方へ動くと、胴体や手足の動きは、負荷が減る分動きやすくなるのです。

これがアレクサンダーが発見した原理のひとつです。

このような事は、例えば緊張してぐっと力が入ってしまった時などによく起こることですね。

どこまでを頭と思っているかによって、動かし方は変わりますので、その正確な位置関係を把握しておく事はとても大切なのです。

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頭と首の接点は、思っていたより上でしたか?下でしたか?思っていたより奥でしたか?

このように自分がこうだと思っている自分の身体と、実際の身体のデザインにはギャップがある事が多いのです。そのギャップを埋めていく作業がボディマッピングです。

(引用させていただいた絵はすべてDavid Gorman著 "The Body Moveable"からです)