念願叶って、自宅にレッスン室を作ることが出来ました。
その過程で、レッスン室に置く椅子を買いに行った時のこと…
私は、売り場中にある椅子に座って、座り心地を確かめていました。
あーでもない、こーでもない…と時間をかけて選んでいたら、一緒に売り場を回ってくれていた夫が、「ものすごいこだわりようやな~!」と目を丸くしているので、私は「椅子も楽器やから妥協できないんやで~」と返しました。
座奏する楽器にとって、座り方は演奏に影響します。
だから、身体を支えてくれる椅子はとても大切なのです。
例えば座面の高さが高すぎると、足で重心移動がやりにくいので、脚の動きを演奏に使いにくくなる。
座面が後ろに傾斜し過ぎていると、骨盤が後ろに倒れやすくなって、頭と脊椎の関係性を、演奏に必要な動きをするために優位に保つことが出来なくなる…etc.
立った姿勢から椅子に座るまでの動きも重要です。
その動作に入る前に、まず頭が動けることを考えて、自分全部がそれに協調して動けることを考え信頼します。そのプロセスが上手く行ったとしても、今度は椅子に座ったら「座った~」と思って落ち着いてしまうのか、それとも、そこからまだ動き続けられる協調状態で居続けるのか、瞬間瞬間に選び取っていくことが重要なのです。
二胡は、座って弾くことが多い楽器なので、座る事と演奏する事は、切り離すことが出来ないほど影響し合っています。
だから「椅子も楽器」なのです。